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チューブライドに向いている板
チューブライドの最大の難関はテイクオフです。
テイクオフさえ決めればメイクできることも多いので、ホレた波に自信を持ってテイクオフできるボードを選ぶことが大切です。
普段より大きめのボードを使うとテイクオフに余裕が出ます。
台風のあとのクリーンな肩くらいの波を65kgのサーファーが乗ると想定した場合
・6’0〜6’4
・スカッシュ、ラウンドピンなど
・トライフィン、クワッド
・細めのアウトライン
のボードがオススメです。




写真の波は岩場のかなりホレた波でしたが、長さが6’8のセミガンを使用していたのでなんとかテイクオフを決めて、チューブをメイクすることが出来ました。
大きめの板はパドルのスピードが早くなるのでセットが入ったときの位置の修正など、ライディング以外でもメリットが多いです。
ロングボード、レトロフィッシュなど
小波用とされる幅広で、ロッカーが少ない板はホレた波への対応が難しくなります。

チューブをメイクしやすいコンディション
チューブは小さすぎても難しい
ヒザ〜コシ程度のチューブは体を小さくして乗るため、結果的に抜けるのは難しくなります。
ムネ〜カタ程度のサイズがあると、スピードを出しながらチューブに入って行けるのでメイク率が上がります。
潮の満ち干きの影響を受けやすい
潮の満ち干きによる波の崩れ方は、そのポイントよって異なりますが
満ちているときに割れづらかったポイントで潮が引くとチューブになることがあります。
また、形の良いチューブが現れて、30分後にはダンパーになってしまうこともあります。
形の良いチューブを見つけたらボーナスチャンスだと思って迷わず挑戦してみましょう。
オフショアがチューブの形を整える
オフショアはチューブを形作る重要な要素。
オンショアからオフショアに変わって、チューブが現れることがよくあります。
波の周期は長い方が良い
波の周期が長いとチューブになりやすい傾向があります。
波情報サイトを利用して波の周期が長い日に狙いを定め、いい波が立つポイントブレイクをチェックしましょう。
チューブの巻いているポイントに遭遇するチャンスが増えるはずです。



地形によっても違いがある
平坦な砂浜のダンパーで経験を積む
海底が平坦な地形の砂浜では、波が一気に崩れるダンパーと呼ばれるコンディションになることがあります。ダンパーのチューブを抜けるためには、かなりのスピードと判断力が必要です。
実際に抜けることは難しいのですが、ダンパーのクローズアウトに突っ込んでテイクオフの経験を積むことが大切です。
波の崩れ方が早くターンの練習が困難な時はチューブの練習に切り替えて、ホレた波に合わせるテイクオフを練習したり、チューブの中で力を抜いて乗り続ける練習をしてみましょう。
パイプラインの目の前に住むジェイミー・オブライエンは、ビーチのクローズアウトに突っ込ん経験を積んで自信をつけて、最高の波の日に備えていると(下記に添付の動画で)語っていました。
河口や起伏のある地形の波
河口や起伏ある地形のポイントでは、形のきれいなチューブになることがあります。
その日の波の崩れ方を観察してチューブを見つけたら、その場所に狙いを定めて繰り返し練習をしましょう。
玉石・岩場のポイントブレイク
玉石や岩場の力強い波はスピードが出やすいため、チューブに入ることができれば、簡単にメイクできることも多いです。
反対に、パワーゾーンより前に走り過ぎてしまう傾向があり、状況に応じてスピードを落とすストールの技術が必要になります。
岩場のポイントは浅く危険な場合があるため上級者向けです。
特に小さい波ほど浅瀬で崩れるので、岩場の小さいチューブは要注意。
チューブをメイクするコツ
最後まで目を開け続ける
特に小さいチューブは顔に水しぶきが飛んできて前が見づらくなりますが、出来る限り目を開け続けましょう。
元WCTサーファーのジョエル・パーキンソンはチューブライディングのコツとしてチューブの天井を見ながら乗るようにしているそうです。
波の変化に対応するために出来る限り目を開けて乗るようにしましょう。
普段以上にリラックス
チューブに入ると無意識に体が緊張して固くなってしまいます。
波の強い力を受け流す「しなやかさ」はチューブをメイクする大事な要素です。
普段以上にリラックスして非日常的なチューブの空間を楽しみましょう。
ハイラインをキープする
チューブの中では天井を気にして、自然に低いラインを走ってしまいがちです。
高いラインを意識するだけでチューブをメイクする可能性が高まります。
チューブに入るとすぐに潰される方は、まず高いラインを走る練習をしましょう。
まずはフロントサイドから
チューブライディングには微妙なボードコントロールが要求されるため、フロントサイドが有利です。
初めてのチューブをメイクしたいならフロントサイドの波を選びましょう。
バックサイドはグラブレイルで突っ込む
バックサイドでチューブに入るには写真のようなグラブレイルがおすすめです。
重心を低く保ち、レイルを手で持ってコントロールすることが出来る利点があります。
バックサイドの難しいテイクオフを決める時には有効なテクニックです。
バックサイドのチューブライディングについてジェイミー・オブライエンが解説している動画を紹介します。
普段おちゃらけているジェイミーが真面目にサーフィンについて解説している珍しい動画です。
日本語の字幕はありませんが、身振り手振りでだいたい言いたいことはわかると思います。
出口を見極めてボトムに走る
ビーチブレイクのチューブは浅瀬でクローズアウトしてしまうことが多いです。
完全に閉じてしまう前に出口を見極めてボトムに降りると抜けられることがあります。
(※クローズアウトとは、波が反対側からも崩れてきて行き場がなくなる状態)
クローズアウトするチューブの抜け方
下の動画はハワイの有名ポイント、バックドアです。リーフブレイクですがクローズアウトする波が多いのが特徴的です。
バックドアではチューブが閉じてしまう直前にボトムに降りて抜けるテクニックがよく見られます。
波の大きさは違いますが、ビーチブレイクのチューブは動画のようにクローズアウトする早い波が多いので参考になると思います。
ビハインドピークからテイクオフ
三角波のピークのさらに奥の反対側のことをビハインドピークと呼びます。
ビハインドピークからのテイクオフは一見高度な技術に見えますが、巻き上がるピークを避けてテイクオフすることが出来るため難易度は下がります。
この記事の一番下に貼ってあるウミヤマが乗ったチューブの動画は、三角波のビハインドピークからテイクオフしました。
最後まで諦めない
無理だと思いながら突っ込んで、意外と抜けられる事もあります。
巻かれると分かっていても、最後までボードの上に立ち続けましょう。
少しでもチューブの中に長くいられるように練習を続けることが上達につながります。
まとめ
①大きめのボードでテイクオフにゆとりを
②チューブになりやすい状況を予想して、集中的に練習する
③目を開けて乗り続ける
④チューブの中ではリラックス
⑤ハイラインをキープする
⑥初めてのチューブライドはフロントサイド
⑦バックサイドはグラブレイルで
⑧出口を見極めてボトムに走る
⑨ビハインドピークからテイクオフ
⑩最後まで諦めない