うねりの周期よる波質の違いやポイント選びについて話していこうと思います。
ここでのうねりは海上を移動するうねりを指します。
うねりは浅い地形に反応して形を変えて波になります。
- 周期が長いうねりは遠くで発生したうねり
- 周期の長いうねりはパワフル
- 周期が長いうねりはいい波
と理解してもらえばいいです。
うねりの周期とは?
周期は波の頂点から次の波の頂点が来るまでの時間で表します。
周期の長いうねりと短いうねりの違いは?
↓風に吹かれて水面に出来たばかりのうねりは周期が短い
↓長い時間強い風に吹かれて遠い場所から移動してきたうねりは周期が長い
周期の長いうねりはパワフル
外洋では周期の長いうねりは周期の短いうねりに比べて早く移動します。
浅瀬に近づくと急激にスピードを落として形を変えて強いエネルギーの波になります。
また、周期の長いうねりは周期の短いうねりと比べて、前後に厚みがあるため波が崩れる時に動く水の量が多くなります。
この2つの要素から、周期の長いうねりはパワフルな波を生み出します。
地形と波の屈折の関係
波の屈折(浅瀬における変化)を語るうえで、うねりの周期は大きな意味を持ちます。
うねり岸に向かって移動し、浅瀬にぶつかった一部はスピードを落として、深い位置にあるうねりはスピードを維持して最後には浅瀬に向かって形を変えながら進んでいきます。
このような波の屈折の作用は、波を形作る時に大きな影響を及ぼします。
ロングウォールタイプの地形
長い距離波に乗ることができるポイントは、下の動画のようにうねりが浅瀬に回り込んでいることが多いです。
How many perfect Rincon rights can you count? 🙌 🎥: Matthew Ord pic.twitter.com/AdLJreBrJL
— World Surf League (@wsl) January 26, 2019
- カリフォルニアのリンコン
- 南アフリカのジェフリーズベイ
- オーストラリアのスナッパーロックス
が良い例です。
ビッグウェイブタイプの地形
実際にサーフィンをするサーフスポットの海底よりも、やや外海側の地形が波の形成に影響すると言われています。
波の屈折によって、波はエネルギーを集中させ、その高さを増します。
そして、波の屈折による波の集中効果はうねりの周期が長くなるほど大きくなります。
- ハワイのジョーズ
- パイプライン
- ポルトガルのナザレ
が良い例です。
周期の長いうねりはより深い位置で地形の変化による影響を受ける
周期の長いうねりはエネルギーが強いため、周期の短いうねりより深い位置で地形の変化による影響を受け始めます。
浅瀬に向かって屈折し、実際に波が崩れ始める位置ではよりエネルギーが集中した状態になります。
参考:WAVE PERIOD:HERE’S WHY IT’S SO IMPORTANTうねりの周期と性質をまとめた表がこちら
うねりの周期 | 解説 |
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6秒以下 ぐちゃぐちゃした見た目 | サーフィンに適さない生まれたばかりの弱いうねりです。 このレンジの予報が出ている地域では、海面が荒れて、強いオンショアが吹いていることが予想されます。 |
7〜9秒 風波、バラつきのある波 | 風波のレンジです。いい波とは言えませんが、十分サーフィン可能と捉えるサーファーが多いでしょう。近海で発生して間もないうねりで、その地域もオンショアになっている傾向があります。 浅瀬に入るとエネルギーを弱めて、うねりの高さより、実際に崩れる波のサイズは小さくなる傾向があります。 ただ、このレンジにおいても特定のポイントブレイクなど良い条件がそろえばうねりの高さより大きな波がくずれることがあります。 |
10〜12秒 いい波 | 強い風を受けて少し距離のある場所で発生したうねりです。遠く離れた場まで届くエネルギーがあります。 これより周期が長いうねりと比較するとチューブになりにくい傾向がありますが、ビーチではとてもいい波が期待できます。 リーフやポイントブレイクのような、うねりの変化や回り込みが必要なポイントにはあまり適していません。うねりの高さと実際に崩れる波の高さは同じくらいになる傾向があります。 もし、風やうねりの向きなどその他の要素が揃っていればいい波になる可能性が高いでしょう。 |
13〜15秒 台風のうねり | グランドスウェル。 通常かなり遠く離れた嵐で発生したうねりです。台風のうねりやインドネシアに良い波をもたらすうねりもこのレンジです。 このレンジのうねりは、地形に合わせて変化し、岬を回り込み、入江や湾奥ポイントにも届くことでしょう。 サイズが小さくても掘れた波になりやすいです。セットはよりはっきりとしてラインナップと呼ばれる数本の大きなセットが見られることでしょう。 サーフィンに適したうねりで、浅いところにくると波のエネルギーが集中してうねりの高さより実際に崩れる波が大きくなりやすいです。風やうねりの向きなど他の要素が整うと素晴らしい波が期待できます。 |
16秒以上 日本ではほとんどない | 強烈なうねりです。遠く離れた嵐で発生し、広い海を旅してきたうねりは、地形に合わせて変化し、岬を回り込み、浅瀬に近づくにつれて変化して、エネルギーを集中させうねりの高さよりもはるかに大きな波になります。例えば、南半球で発生したうねりが遠く離れたカルフォルニアに届くほど強力だった場合、うねりの周期は21秒にもなります。うねりが大きくなかったとしても実際に崩れる波は何倍もの高さになります。 |
参考:MSW Our Forecast:Wave Period
周期を知ってそのうねりの性質を知ることで、いい波にありつける可能性がグッと上がるような気がしますね。
しかし、うねりは通常一方向からの単純なうねりだけではなく、同時にいろんな方向からうねりが来て、その周期もまちまちです。
美しいラインナップを形作る14秒のピュアなうねりの日もあれば、風波のうねりも混ざった荒れた見た目の14秒のうねりの日もあります。
単純に一つの数字で表現しきれない要素も多く含まれていますので、一つの指標として利用するのが良いでしょう。
ここ数年、海外のBigWaverたちが世界中の嵐をチェックしながら波を探して飛び回るようになりました。
私達一般サーファーもこのような世界規模の情報を利用してより正確に、地元のいい波を見つけることも新しいサーフィンの楽しみ方ですね。
https://umiyama-asobi.com/magic-sea-weed-msw-wave-hunt/